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労働者の解雇は、ベトナム労働法(10/2012/QH13)125条3項にて懲戒処分の1類型として定められています。同法では懲戒解雇が最も重い処分として位置づけられており、戒告、6か月以下の昇給の停止、降格措置に次ぐ処分とされています。
このように懲戒解雇は労働法における懲戒処分の中で最も重い手続であるため、法126条により、懲戒解雇が認められる類型が定められています。懲戒解雇が認められるのは、労働者が窃盗、汚職、賭博、故意で行う暴行・傷害行為、職場での麻薬の使用、営業秘密等の漏洩、知的財産権の侵害行為など使用者の資産、利益に重大な損害をもたらす行為などの刑事関連法規に触れる場合や、昇給の停止、降格措置を受けている間に再び懲戒処分対象行為を行った場合、労働者が無断欠勤を月に5日又は年20日行った場合とされています。なお、無断欠勤に該当しない場合とは、法令により、自然災害や、家族の疾病、医療機関からの指示その他就業規則に定められている場合とされています(法126条3項)。
懲戒解雇の手続については、法123条及び政令(148/2018/ND-CP)に定められています。懲戒解雇手続においては、使用者側に労働者の懲戒解雇事由の立証責任があり、また、懲戒解雇に先立ち、事業所における労働団体の代表部及び労働者の代理人を含めた審議会を開催しなければなりません。この審議会を開くためには、労働者より労働団体の代表部や代理人等に対して通知を行う必要があり、また審議においては議事録の作成及び参加者の署名が必要となります。
懲戒解雇後の労働者の権利については、年次有給休暇を未消化の者は、法114条により年次有給休暇の残日数を金銭評価し、賃金として清算することができます。また、使用者は労働者に対して社会保険手帳やその他福利関係書類を返還する義務を負い(法47条3項)、これらの手続を労働契約解除日から7日以内に終える必要があります(同条2項)。なお、懲戒解雇の場合は、解雇手当を支払う必要はありません(法48条1項、36条8項、125条3項)。
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