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ベトナムでは、契約書への署名は誰がしなければなりませんか。
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個人の場合は本人の署名、法人の場合は法定代表者の署名が必要です。その他、代理人による場合もあります。
個人の場合は言うまでもなく、本人が署名をする必要があります。本人の署名以外では代理による署名があり、民法(91/2015/QH13)134条以下にその定めが置かれています。ベトナムにおける代理とは、本人の名義でもって本人のために民事取引(ここでは契約締結行為)を行う者とされています(134条1項)。ただし、他の法令により代理行為が禁じられている場合もあるため注意が必要です(同条2項)。一般的には、代理権の付与について本人から委任状が発行されているため、代理人と代理行為により契約を締結する場合には、当該委任状の有効期間などの有効性と、委任事項及び締結しようとしている契約内容との整合性を確認する必要があります。
次に、法人と契約を締結する場合ですが、企業法(68/2014/QH13)13条1項に企業の法定代表者の定めが置かれています。企業の法定代表者は、その権限として、企業取引から生じる各権利を行使し、義務を履行する者として定めが置かれているため、法人との契約においては、当該法人の法定代表者の署名が必要になります。なお、現在では企業登録ポータルサイトで法定代表者を確認することができるため、必要に応じて当該ポータルサイトを参照し、法定代表者との整合性を確認することもできます。