ベトナム進出情報Q&A

ベトナムの進出の際のキーポイントや注意すべき点などをQ&A形式で
お伝えします。

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ベトナムの外資規制について教えてください。 ベトナムの外資規制について教えてください。

ベトナムの外資規制について教えてください。

進出手続きと外資規制
ベトナムの外資規制について教えてください。 ベトナムの外資規制について教えてください。

ベトナムにおける外資規制は、投資法(67/2014/QH13)及び関連する複数の投資関連政令によって規定されています。外資規制の内容について、主に以下の点に対して注意を払う必要があります。

投資手続に関する規制

外資企業がベトナムに進出するためには、ベトナム投資法に定める手続を行う必要があります。投資の手続は、投資の形態(経済組織設立への投資(法22条)、経済組織への出資、株式、持分の購入の方式による投資(法24条)、PPP(Public-Private Partnership)契約(27条)又はBCC(Business Corporate Contract)(法29条))により異なります。それぞれの投資形態による簡単な手続きは、以下の通りです。⁂注:ハイライン箇所は、投資手続における外資企業特有の手続きとなります。

経済組織設立への投資 経済組織への出資、株式、持分の購入の方式による投資 PPP BCC
投資登録証明書(IRC)の取得


企業登録証明書(ERC)の取得

企業設立後の各種手続

事業に関するライセンスの取得(必要に応じ)

経済組織への出資、株式、持分の購入の承認書取得

社員の変更、株主の登録
投資プロジェクトの提案

プロジェクトの提案審査→承認

事業者の選定(入札)事業者選択結果の承認決定

プロジェクトを実施するための法人設立(IRC、ERCの取得)

PPPに関する各種契約の締結
BCC契約の締結

BCC契約の登録

② 出資割合の規制

外資企業が出資可能な最大の出資割合を確認するため、①WTOコミットメント及び②ベトナム国内法令を検討する必要があります。

WTOコミットメントにおいて、外資企業の出資割合を制限する事業として18事業が指定されています。例として以下のものがあげられます。

インターネットインフラなし通信サービス:65%以下

インターネットインフラあり通信サービス:49%以下

農業、狩猟、林業に関するサービス:51%以下

映画製作、発行、撮影:51%以下

道路運送業:51%以下

国内法令においても外資企業の出資割合を制限する規定があります。例として、商事銀行(50%以下)、警備・守衛サービス(50%以下)、価値評価サービス(35%以下)等があげられます。

③ 事業に関する規制

ベトナム投資法の規制に従う投資禁止分野

投資法6条1項では、投資禁止分野として、(1)投資法の別表第1に規定される各麻薬物質に関する事業、(2)投資法の別表第2に規定される各種化学物質、鉱物に関する事業、(3)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約別表第1に規定される各種野生植物および動物の標本、この条約別表第3に規定されるグループIの絶滅のおそれのある希少な各種野生植物および動物の標本に関する事業、(4)売春事業、(5)人身または人の身体組織もしくは部分の売買、(6)人の無性生殖に関連する事業活動を定めています。これらに該当する場合は、そもそも投資活動自体が認められません。

条件付投資分野

投資禁止分野に該当しない場合であっても、常に自由な投資活動が行えるわけではなく、一部の分野においては、条件付投資分野として、投資活動に一定の制約が課せられることがあります。どのような分野が条件付投資分野に該当するかについては、投資法別表4を修正する法律(03/2016/QH14)中の別表4により確認することができます。条件付投資分野に該当する場合には、さらに個別法令の定めを確認し、具体的にどのような外資規制が行われているのか確認する必要があります。

投資優遇

外資規制ではないものの特定の業種、地域へ投資を行う場合には、税制面における優遇措置を受けることもできます。具体的な優遇措置の定めは、投資法及び中小企業支援法(04/2017/QH14)に置かれており、例えば、ハイテク業種(投資法16条1項a)、職業教育(同項i)といった業種があげられます。また、投資優遇地域として、工業団地や経済区などがあげられます(投資法16条2項b))。

④ 投資関係の報告等に関する規制

外資投資家が、ベトナムで投資プロジェクトを実施する際、投資プロジェクトの活動状況を報告する必要があります。現在オンラインで報告書を提出することができ、月間報告書、6か月間報告書および年間報告書があります。