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コラム

COLUMN

ビットコインをはじめとする暗号通貨について

企業経営・販売・広告

2021.07.01

1.はじめに

 平成26年2月28日、Mt.Gox(マウントゴックス)社が、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請したというニュースが流れました(なお、民事再生の手続の開始は認められず、同年4月24日に破産手続開始決定がなされました。)。この事件をきっかけにビットコインの存在を知った方も多いのではないでしょうか。

 ビットコインをはじめとする暗号通貨に対しては、そもそも仕組みがよくわからないという意見や、そのシステム自体に欠陥があるのではないかといった懐疑的な見方もありますが、一方で国家という単位を持たない通貨として世界から注目されています。

2.ビットコインとは

 そもそもビットコインとは何なのか。ビットコインの仕組みの説明は紙面の都合上割愛しますが、一般的にビットコインは、P2Pネットワークを利用した暗号通貨と言われています。

 通貨と呼べるためには通貨に対する人々の信用がなければなりません。ひと昔前の金本位制の時代であれば、通貨はいつでも金(Gold)と交換できるということに信用性が求められていました。金本位制を取っていない現在では、「国家」という組織が発行していることに信用性が置かれています。もっとも、近年では国家自体が財政的に破綻していることも多く、通貨への信用が失われるケースも少なくありません(例えば、平成25年3月のキプロスの金融危機の際、ビットコインが資産の逃げ場になったのは記憶に新しいところです。)。ビットコインの信用性はそのシステムにあり、利用者全員がビットコインの全ての取引履歴を見ることができるため、自己の所有しているコインが正当なものだと証明できるところに信用性が置かれているということができます。

 現在、暗号通貨の始祖であるビットコインを含め、暗号通貨と呼ばれるものは200種類以上もある(例えば、ライトコイン、オーロラコイン、ビアコイン、ドージコイン、モナーコインなど)と言われておりますが、最も流通量が多いのはビットコインです。

 ビットコインの最大の利点といわれているのは、少額の海外送金をする際に手数料がほとんどかからないということです。通常の通貨による海外送金の場合、複数の銀行を経由して送金することになるため手数料が多くかかるのですが、ビットコインはその金融システムの欠陥を完全にカバーしているのです。

3.ビットコインをはじめとする暗号通貨の今後

 現在、日本でビットコインを取り扱っている店舗はなく、国内ではほとんど流通していません。しかし、Mt.Gox社の事件をきっかけにビットコインの知名度は上がりました。それに伴い、ビットコイン等の暗号通貨を利用したビジネスを始める人も出てきています。

 例えば、国内のベンチャー企業によりビットコイン交換所が相次いで設立されたり、海外からビットコインのATMが輸入されたりしていることはご存知の方も多いのではないでしょうか。

 海外でも、今年5月に米衛星放送大手のDish Network(ディッシュ・ネットワーク)社がビットコインによる絵料金支払いを受け付けると発表し、米Apple(アップル)社も今後のアプリケーションに仮想通貨取引を含めることを認める発表をしています。ちなみに、メキシコのセブンイレブンではビットコインの利用が可能だそうです。

 世界的な立法の流れを見ると、カリフォルニア州では、ビットコインをはじめとする暗号通貨を合法化しようという動きが大詰めを迎えており、すでにカリフォルニア州下院で可決されております。ニューヨーク州も合法化に積極的であり、この暑中見舞いが届くころにはいずれかの州で暗号通貨が合法化されているかもしれません。

 ロシアや中国のようにビットコイン自体を禁止している国家もありますが、上記のようなビットコインに関する状況を見ていると、暗号通貨の合法化、市民への普及という流れは止められず、当然我が国もその流れに乗っていく、というより乗らざるを得ないものなのではないでしょうか。

4.終わりに

 現行では日本にビットコイン等の暗号通貨を直接規制できる法律は存在しておりません。しかし、近い将来に暗号通貨が広く日本国内でも流通することになれば、様々な規制が課されることでしょう。ビットコイン等の暗号通貨については、これから先も多くのビジネスチャンスが眠っていることが予想されますので、これから暗号通貨に関わるビジネスをご検討されておりましたら、一度当事務所までご相談いただければお力になれるかと思います。

◆最初のビットコイン取引◆
2010年5月、あるプログラマーがネット上でピザ2枚と10,000BTCの交換を呼びかけ、この取引が成立したと言われています。当時のビットコインの価値(信用性)が低いことを示すエピソードといえます。
現在では1BTCあたり600ドル以上の相場で推移しており、現在の相場で換算すれば、ピザ2枚が6億円以上で取引された計算になります。

(2014年7月執筆)

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