インド電子情報技術省により、新法律「Information Technology (Intermediaries Guidelines and Digital Media Ethics Code) Rules 2021(2021年情報技術規則(媒介者ガイドライン及びデジタルメディアの倫理規範))」が公表され、2021年2月25日に施行された。
この新法は、2000年情報技術法に基づきコンテンツの悪用を抑制するものであり、ソーシャルメディア企業や、NetflixやAmazon Prime Video等のオーバー・ザ・トップ(over-the-top: OTT)プラットフォーム、デジタルコンテンツプラットフォームにおいて適用される。
本規則は、媒介者を利用者数に基づいて、ソーシャルメディア媒介者と重要ソーシャルメディア媒介者のカテゴリーに分けている。
・本ガイドラインの要点は以下のとおりである。「3段階の苦情処理メカニズム」
レベル I:出版・公表者による自主規制
レベル II:自主規制機関による自主規制
レベル III:インド情報放送省の監視メカニズム
・ソーシャルメディア企業を含むデジタル媒介者は、適正なデューディリジェンスを行わなければならない。もし係るデューディリジェンスが媒介者によって行われていないことが判明した場合、セーフハーバーが適用されなくなる。
・ソーシャルメディア企業は、利用者や被害者からの苦情に対応するために苦情処理メカニズムを設置する必要がある。それに伴い、該当企業は苦情処理係(インド在住者)を任命しなければならず、苦情を受けてから24時間以内に申告し、15日以内に係る苦情を解決しなければならない。
・利用者の尊厳に関する苦情(特に女性のプライベートなことに関連すること等)があった場合、重要ソーシャルメディア企業は、24時間以内に解決しなければならない。
・裁判所や政府により要求された場合、ソーシャルメディア企業は、ツイート及びメッセージの発信者を開示する必要がある。
・ソーシャルメディア企業は、利用者の自主認証のための規定を設けなければならない。これにより、利用者は自分のアカウントを自主的に認証することができる。
・重要ソーシャルメディア企業は毎月苦情の件数およびどのようにして苦情を処理したかというコンプライアンス報告書を発行しなければならない。
・重要ソーシャルメディア企業は、最高コンプライアンスオフィサー(Chief Compliance Officer: CCO)を任命し、法執行機関と適宜連絡をとることが可能な担当者を設置しなければならない。
NetflixやAmazon Prime Video等のOTT プラットフォームについて
・年齢(U (Universal)、U/A 7+(years)、U/A 13+、U/A 16+、A(Adult))によってそれぞれ適したコンテンツをすべて分類しなければならず、出版者・発行者は、各コンテンツにおいてその性質や内容に併せて分類区分も明示的に表示しなければならない。
・コンテンツ区分がU/A 13+以上のものにはペアレンタルロックを付したり、コンテンツ区分がAであるものには信用性のある年齢確認メカニズムを導入したりしなければならない。
・OTTプラットフォームやデジタルポータルには、苦情処理システムが設置されなければならない。また、OTTプラットフォームには、退職した最高裁判所又は高等裁判所の裁判官または有識者が率いる自主規制機関が設置されることになる。