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コラム

COLUMN

道路交通法施行規則改正(安全運転管理者の業務)について

一般企業法務等

2023.03.06

執筆者:弁護士 澁谷和利

第1 はじめに

 道路交通法施行規則(以下略)について一部改正がなされ、令和4年4月1日から施行されることとなりました。
 本稿では、令和4年4月1日施行の改正内容をご案内した上で、その対策についてご説明しております。

第2 令和4年4月1日施行の改正内容

1 目視等での酒気帯びの確認義務(第9条の10第6号)

 今回の改正前の道路交通法施行規則においては、安全運転管理者に対して、「飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認」(第9条の10第5号)すること等が義務付けられておりましたが、具体的な確認方法等までは明記されていませんでした。
 それがこの度の改正により、安全運転管理者に対して、「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認すること。」が義務付けられることとなりました。

2 上記1の内容の記録及び保存義務(第9条の10第7号)

 今回の改正により、上記1の確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存することが義務付けられることとなりました。
 具体的な記録すべき事項としては、①確認者名、②運転者、③運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等、④確認の日時、⑤確認方法(対面でない場合は具体的方法)、⑥酒気帯びの有無、⑦指示事項、⑧その他必要な事項となります。

第3 令和4年4月1日施行の改正への対応策

1 運転前後の酒気帯びの有無の確認について

 「目視等で確認」(第9条の10第6号)とは、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子等で確認することをいいますが、対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよいとされております。
 例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、①カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法、②携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法等の対面による確認と同視できるような方法が含まれます。
 他方、電子メール・FAX等は、対面での確認に準じた方法には該当しないとされております。

2 補助者の選任

 安全運転管理者や副安全運転管理者に加え、補助者を選任することも可能であり、かつ複数選任することも可能とされております。
 そこで、例えば、安全運転管理者や副安全運転管理者の業務が逼迫する場合には、補助者を複数選任し、交代制で業務を行うことも可能です。

第4 最後に

 どのような事業所において安全運転管理者を選任する必要があるか、また、安全運転管理者のみならず副安全運転管理者についても選任する必要があるかという点については、今回改正されておらず、詳細は省略いたしますが、上記第2の1及び2の改正の適用範囲に関わるものとなりますので、ご確認いただくようお願いいたします。

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